この記事でわかること
- 双子がNICUに入院したとき、親として何を感じたか
- NICUでの面会や退院までの流れ
- NICU入院で使える制度と手続きの順番
- 費用負担を抑えるために早めに確認したいこと
双子が生まれた日、病院のスタッフから「NICUに入ります」と言われた。
想定はしていた。双子だから、早産になるかもしれないとは聞いていた。
でも、「想定していた」と「実際にそうなった」は、まったく別の話だった。
この記事では、双子がNICUに入院した1〜2週間で俺が経験したこと、感じたこと、そして実際に確認した費用や制度についてまとめる。同じ状況になった親の不安を、少しでも軽くできたらうれしい。
双子がNICUに入った経緯
うちの双子は、生まれた後に低血糖と診断された。
帝王切開での出産で、生まれた時点での体重は2,200gと2,400g。体重自体は低出生体重児のラインを上回っていたが、血糖値が安定しないため、医師の判断でNICUに入院することになった。
NICUは新生児集中治療室のことだ。早産や低出生体重、呼吸・体温の管理が必要な新生児が入院する専門の部屋で、保育器や医療機器が並んでいる。
生まれてすぐに「NICUに入ります」と説明され、妻はそのまま別室へ。俺は、生まれたばかりの双子を保育器越しに見送るしかなかった。
頭では理解していても、気持ちは全然追いつかなかった。
先に伝えたいこと
NICUは「怖い場所」ではなく、赤ちゃんを守るための場所です。実際に入るまでは不安しかなかったけれど、今振り返ると、あの場所があったから助けてもらえたと感じています。
NICUでの面会の様子
NICU入院中、面会は1日1〜2回で、時間も決まっていた。
保育器のガラス越しに見る双子は、体に何本もチューブがつながれていた。呼吸を補助する器具、体温を保つ保育器、点滴の管。
正直、最初はその光景が怖かった。
でも、毎日通ううちに少しずつ慣れてきた。ガラス越しに名前を呼んだ。「待ってるよ」と声をかけた。
声が届いているかどうかはわからない。でも、そのときの俺にできることは、それくらいしかなかった。
NICUで親が感じやすいこと
「何もできない」「抱っこできない」「見ているだけしか無理」という無力感は、かなり大きいです。でも、医療スタッフに任せて、親は会いに行って、声をかけて、待つ。それで十分だと今は思います。
退院まで:3日に1回のペースで病院へ
妻は産後の回復のため同じ病院に入院していた。俺は3日に1回くらいのペースで病院に通い、午後に妻の様子を見てから、そのままNICUに面会するのが基本的な流れだった。
毎日行きたい気持ちはあったが、家に長男を一人にはできない。
長男はその時まだ1歳だった。病院に行く間は、妻の父に来てもらい、面倒を見てもらった。頼れる人が近くにいてくれたことは、本当に助かった。
体はきつかった。でも、家にいてもそわそわするだけだったから、動いている方がまだ気持ちは保てた。
退院の日
1〜2週間後、二人とも無事に退院できた。
退院の目安として説明されたのは、「血糖値が安定して自分で維持できるか」「授乳で必要量を飲めるか」といった点だった。
退院時の体重はそれぞれ2,200gと2,400g前後。数値だけ見るとまだ小さいけれど、医師から「問題なし」と判断された。
保育器から出た双子を、初めて直接腕に抱いた。
ガラス越しじゃなく、直接。軽かった。あたたかかった。
あの感覚は、たぶんずっと忘れないと思う。
NICUにかかった費用
ここからは、できるだけ実用的な話をする。
NICUの入院費用は高額になりやすい。ただ、実際には高額療養費制度や未熟児養育医療制度などで、自己負担を大きく抑えられる可能性がある。
① 高額療養費制度
1か月の医療費の自己負担が一定額を超えたとき、その超過分があとから払い戻される制度だ。収入によって上限額が変わるため、詳細は加入している健康保険か、ハローワークに確認するのが早い。
NICU入院は医療費が高額になりやすいため、この制度を確認しておく意味は大きい。
② 限度額適用認定証
高額療養費制度とあわせて知っておきたいのが、限度額適用認定証だ。
これを事前に取得しておくと、病院窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えやすくなる。加入先の健康保険へ事前申請する必要がある。
出産前にできるならやっておきたいこと
早産やNICUの可能性が少しでもあるなら、限度額適用認定証は事前に確認しておくとかなりラクです。出産後は本当にバタつくので、「その時に調べる」はなかなか厳しいです。
③ 未熟児養育医療制度
出生体重2,000g以下などの条件に加え、医師が入院養育を必要と認めた赤ちゃんを対象に、公費で医療を支える制度だ。
体重が2,000gを超えていても、低血糖など医師が必要と判断した場合に対象となるケースがある。ただし、適用は自治体や医師の判断による部分が大きいため、病院の相談窓口か市区町村に早めに確認することをすすめる。
申請先は、基本的に居住する市区町村の窓口になる。自治体ごとに必要書類や流れが違うこともあるので、退院前後に早めに動くのがいい。
④ 実際の支払い:うちの場合
うちの場合、支払いは退院直後ではなく、2週間検診のタイミングでまとめて行った。
支払いの際に必要だったのは、マル福(福祉医療費受給者証)と健康保険証の提示。これを窓口で見せるだけで、制度が適用された状態で精算してもらえた。
実際の自己負担額は、一人あたり約2万円。双子2人分で合計4万円程度だった。
1〜2週間のNICU入院でこの金額に収まったのは、マル福と保険証の組み合わせが効いた結果だと感じている。制度を知っているかどうかで、負担額は大きく変わる。
支払い時に必要だったもの(うちの場合)
- マル福(福祉医療費受給者証)
- 健康保険証
自治体によって制度名や受給者証の名称が違う場合があります。出産前に住んでいる市区町村に確認しておくのがおすすめです。
手続きの流れ|やること一覧
| タイミング | やること |
|---|---|
| 入院が決まった直後 | 病院の相談窓口・医療ソーシャルワーカーに相談する |
| できるだけ早め | 市区町村に未熟児養育医療制度の申請方法を確認する |
| できるだけ早め | 加入先の健康保険へ限度額適用認定証を確認・申請する |
| 2週間検診のとき | マル福(福祉医療費受給者証)と健康保険証を持参して支払い |
| あとで振り返る時 | 領収書・明細書を保管しておく |
病院の相談窓口や医療ソーシャルワーカーに相談すると、制度の説明や申請の流れを教えてもらえることがある。こういう時は、遠慮せず使った方がいい。
親は気持ちの余裕がない。だからこそ、制度は「自分一人で全部調べ切る」より、病院と自治体に早めに聞くのがいちばん早い。
NICUを経験して思うこと
今、双子の体重はまだ3kgには届いていないが、順調に大きくなっている。目が合うと、にこっとする。手足をバタバタ動かしている。
保育器の中で小さく寝ていたのが、ついこの前のことだ。
NICUはつらい場所だった。でも、必要な場所だった。
医療スタッフが毎日、毎時間、双子を守ってくれた。俺にできることは、面会して、声をかけて、待つことだけだった。
同じ状況の親へ
もし今NICUに通っていて、何もできない自分に落ち込んでいるなら、まずはそれが普通です。会いに行くこと、名前を呼ぶこと、必要な手続きを進めること。それだけでも十分に親の仕事だと思います。
まとめ|NICUで知っておいてほしいこと
- NICUは怖い場所ではなく、赤ちゃんを守ってもらう場所
- 費用は制度を使うことで大きく抑えられる可能性がある
- 限度額適用認定証は事前確認しておくとかなりラク
- 未熟児養育医療は体重だけでなく医師の判断でも対象になる場合がある。市区町村に早めに確認する
- 病院の相談窓口やソーシャルワーカーは積極的に頼っていい
🔧 整備士的に言うなら
保育器の中の赤ちゃんは、修理中の車に似ている。触れない、動かせない、手出しできない。でも、ちゃんとプロが直してくれる。親の仕事は、信頼して、会いに行って、待つことだ。整備士として15年やってきて、「信頼して任せる」が一番難しいとわかっている。それでも、任せてよかった。
育休中の家計全体を知りたい方へ
NICUの費用も含めた、育休1ヶ月目の収支をまとめています。
※本記事の内容は筆者の実体験に基づくものです。費用や制度の適用範囲、必要書類、自己負担額は、居住地・加入保険・入院状況・病院の運用によって異なります。正確な情報は、市区町村窓口・加入先の健康保険・病院の相談窓口にご確認ください。
この記事を書いた人
現役整備士 / 双子が生まれた3児パパ
育休中の家計・育児・副業の話を発信しています。

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