妻が切迫早産で入院した日|整備士パパが一人で向き合った夜

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先週、妻が入院した。

双子の切迫早産で、管理入院になった。

「しばらく病院から出られないかもしれない」

そう言われた。
6月の出産まで、まだ3ヶ月ある。

その場では頷いた。
でも、心の中は静かにパニックだった。

検診のはずだった

その日、妻はいつもの検診に行っていた。

俺は普通に仕事をしていた。
「今日も異常なしだろう」くらいに思っていた。

妻から連絡が来た。

「今日から入院になった」

検診に行って、そのまま帰ってこなかった。

先生からは、こう説明されたらしい。

「双子だから、子宮にかかる負担が大きいです」
「このままだと、早く生まれてしまうリスクがあります」

荷物をまとめて病院に届けた。
妻はもうベッドに横になっていた。

整備士の俺は、ふだん「原因は何か」「どう対処するか」で考えるクセがある。
でも、そのときの俺にできたのは、妻の手を握ることだけだった。

切迫早産と管理入院のこと

正直に言うと、俺はこのときまで「切迫早産」も「管理入院」も、ちゃんとはわかっていなかった。

切迫早産は、赤ちゃんが予定より早く生まれてしまう可能性が高い状態のこと。
管理入院は、そのリスクを下げるために、病院で安静に過ごすことだ。

双子の妊娠は、もともと体への負担が大きい。
それは頭ではわかっていた。

でも、「なりやすい」と知っていることと、実際に「なる」ことは、まったく別だった。

長男と二人の夜

妻が入院してから、毎日、長男と二人で夜を過ごしている。

晩ごはんを作る。
お風呂に入れる。
寝かしつける。

やること自体は、ひとつずつならできる。

でも、妻がいないだけで、家の空気はこんなに変わるのかと思った。

長男はまだ1歳で、言葉で「ママは?」とは聞けない。
でも、玄関をじっと見ていることがある。
いつもより俺にくっついてくることがある。

言葉にできなくても、たぶんわかっている。
いつもいる人がいないことを。

寝かしつけのあと、部屋が急に静かになる。
そのたびに、ぽっかり穴があいた感じがする。

「大丈夫だよ」
そう言いながら、自分でも大丈夫かどうかわからないまま寝る日もある。

毎日のテレビ電話

妻とは毎日テレビ電話をしている。

管理入院中は面会が制限されていて、長男は妻に会えない。
退院するまで、直接会うことができない。

だから、せめてテレビ電話で顔を見せる。

長男は画面の中の妻を見て、じっとしていることもあるし、すぐ飽きてどこかに行ってしまうこともある。

妻はそれを見て笑っている。
でも、電話を切ったあと、たぶん泣いている日もあると思う。

俺にできるのは、毎日この電話をかけ続けることだけだ。

気づいていたのに、向き合えていなかった

今思えば、妻の体は前からサインを出していた。

「最近しんどい」と言うことが増えていた。
「ちょっと横になってていい?」も増えていた。

俺は、たぶん気づいていた。

でも、気づくことと、向き合うことは違った。

整備士として働いていると、異常のサインを見逃したまま走り続ける危なさは、よくわかっている。

なのに家庭では、俺は「まあ大丈夫だろう」で流していた。

その甘さを、今回の入院で突きつけられた気がした。

妻からのLINE

入院して間もない夜、妻からLINEが来た。

「ごめんね、迷惑かけて」

すぐには返信できなかった。

迷惑とか、そういう話じゃなかった。
でも、何て返せばいいのか、うまく見つからなかった。

結局、送ったのはこれだけだった。

「長男と二人で待ってる。ゆっくり休んで」

たぶん、もっと気の利いた言葉もあったと思う。
でもそのときの俺には、それが精一杯だった。

怖い。でも、やるしかない

正直に言うと、怖い。

6月の出産まで何があるかわからない。
仕事もある。育児もある。家事もある。

不安はずっとある。

でも、怖くても、やるしかない。

今の俺にできることは多くない。
でも、ゼロでもない。

長男の顔を見て「おかえり」と言うこと。
妻に毎日テレビ電話をかけること。
家のことを回して、6月以降の準備も少しずつ進めること。

派手なことは何もできない。
でも、こういう毎日の積み重ねしかないんだと思う。

おわりに

切迫早産や管理入院を経験している家族へ。

不安なのは当然だと思う。
何もできないと感じるのも、当然だと思う。

俺も今、その途中にいる。

だから偉そうなことは言えない。
ただ、一つだけ思うことがある。

家族を支えるのは、特別な一回じゃなくて、毎日の継続だ。

今はそれを信じて、目の前の一日をやっていく。

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